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2008/06/16
メインフレームからLinuxなどのオープン系サーバーに移行すると…
執筆者: webmaster (5:28 pm)
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「メインフレームからLinuxなどのオープン系サーバーに移行したことで運用コストを年間約1億2000万円削減した」 高知県 政策企画部情報政策課主任 吉本幸弘氏は2008年6月10日,日本HPとレッドハットが開催したセミナーで講演し,同県のダウンサイジングを紹介した。 高知県は2000年から2007年にかけ,2台のメインフレームで稼動していた約120のシステムをオープン系サーバーに移行した。移行は2期にわけて行い,2007年6月に2台目のメインフレームを撤去した。 1台めは,2000年から2001年にかけてUNIXサーバーへ移行した。業務は財務会計と給与システムである。この際,移行のための手順を開発し,特許も取得した(特許第3777135号)。その特徴は,既存のCOBOLアプリケーションを変換してオープン系サーバーで稼動させること。「業務アプリケーション部分へはほとんど手を加えることなく移行できた。これにより当初10億円と見込まれていた移行費用を約2億6000万円に抑制できた」(吉本氏)。この移行方法を「高知県方式」と呼んでいる。 「メインフレーム1台の撤去により,運用コストは年間約2億円削減された」(吉本氏)。 2台めは2006年から2007年にかけ,43業務をLinuxなどのPCサーバー(ブレード・サーバー)に移行した。今回もCOBOLアプリケーションをサーバー上でWebアプリケーションとして稼動させた。「移行費用2億1000万円で,運用コストは年間1億2000万円削減できた。1年ちょっとで移行費用を回収できた」(吉本氏)。 COBOLアプリケーションをサーバー上でWebアプリケーションとして稼動させるため,「共通基盤」と呼ぶプログラムを開発した。端末画面のWeb化やデータベース・アクセス,帳票印刷などを処理するプログラムである。「COBOLアプリケーションからはオープン系の画面やデータベースがメインフレーム環境のように見える『ラッパー』」である。(高知電子計算センター 情報事業本部 第一システム部 副部長 北野真一氏)。 OracleやJP1のほか,Tomcat,JBoss,PostgreSQLといったオープンソース・ソフトウエアを活用している。「ベンダー・ロックインに陥ることのないよう,共通基盤はOSに依存しないようにした。ライセンス費用や担当者のスキルなどに応じて最適なものを選んでいるが,約60ブレードのうち半数はLinux。残りはWindowsやSolaris」(北野氏)。 Oracle RACが稼動するデータベース・サーバー,Apacheを搭載したWebアプリケーション・サーバー,PostgreSQLを搭載した認証サーバーなどがLinuxという。 高知県の吉本氏は「オープンソース・ソフトウエアを採用することで,ベンダー・ロックインからの開放によるIT調達価格の適正化が実現できる。全国の自治体へ高知県のシステムを展開していきたい」と語る。すでに福岡県が「高知県方式」を採用したという。吉本氏が「例え採用にいたらなくとも,こういった選択肢を検討することでIT調達価格の適正化が可能になる」と訴えた。 ソースは http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080610/307448/ |
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